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2015年2月

2015年2月21日 (土)

昔のアロマセラピストの大きな勘違い

アロマ関連の書籍をひもとくと、異口同音にxx精油は xxの症状に効くとばかりに、同じような効果/効能がリストアップされています。その根拠となる情報を精査なさったアロマセラピストは、過去にどれほどおられるでしょうか。

17世紀末の英国薬局方に記載されていたラベンダーオイルの情報には、ローズマリーやシナモンなど、ハーブ類 30種にも及ぶ精油以外の植物素材の効果/効能が含まれていたため、それではいけないと1746年にロンドン薬局方でラベンダーの効果/効能が編集しなおしされました。その際、きちんとラベンダーの花をハーブティーとして用いた時の効果と規定されました。そのラベンダーハーブティーの効果/効能が、そのまま昔のアロマセラピストたちにコピペされて、現在のアロマ関連書籍の精油の効果/効能に利用されているようですよ。

ハーブを勉強なさっておられる方々にそのことをお話すると、ほとんどの方が、ハーブティーやハーブチンキの中にも精油成分は入っています!とおっしゃいます。ハーブのチンキは、アルコールに成分を溶かし込むので、様々な化合物が溶け込むでしょう。分子量の重い物質も含まれるでしょう。

ここでお話をするのは、ハーブティーと精油に限らせていただきます。 それは当然ですね。ハーブティーを楽しむ際に、香りも重要です。その源は精油の成分と同じものだと思います。 何か違うかというと、「アロマセラピーサイエンス」を著した Maria Lis-Balchinは、乳幼児の身体をバターで身体をマッサージすると、ミルクを飲ませたのと同じ効果が得られると言っているのと同等だと指摘しています。精油は油脂ではありませんので、正しい例えとは言えないと思いますが、彼女の意図は伝わります。

まさに、そのことなのです。精油成分の1つ1つに、疎水性尺度があり、これらの有機化合物は何百倍も水より油脂に溶けやすくできているのです。ご存知ない方もいらっしゃると思いますので、リナロールのことを思い出していただきたいと思います。この第3級アルコールは元来水に溶けにくいアルコールですので、酢酸が結合すると、さらに水には溶けにくくなります。このため、水蒸気蒸留で得られるラベンダーハイドロゾルには一切、入ってきません。酢酸リナリルが入っているラベンダーハイドロゾルがありましたら、アルコールなどを利用して、精油を溶かし込んだ偽物ハイドロゾルだと言ってもよいでしょう。炭素と水素のみで構成される炭化水素類はすべて極めて疎水性が高いので、ハイドロゾルには含まれませんので、覚えておかれるとご参考になるかと思います。猫にハイドロゾルが比較的安全と言われる所以です。でも、勘違いなさらないでくださいね。猫に危険な他の成分が入っているハイドロゾルもたくさんありますので....。

話がそれてしまいますが、酢酸リナリルは水蒸気蒸留の過程で生成されると信じているアロマの大御所がおられます。決してそのようなことはありません。と、言いますのは、二酸化炭素を溶剤として使ってラベンダーの花から精油を採取すると、水蒸気蒸留で得られる以上の酢酸リナリルが含まれる例が学術的に報告されているからです。この方法は、植物に含まれる有機化合物を分子量にかかわりなく、根こそぎ抽出しますので、中に入っている成分そのものということになります。

お話をもとに戻しましょう。ご存知かと思いますが、ハイドロゾルに含まれる精油成分には上記の疎水性尺度の関係で上限が決められており、1Lのハイドロゾルに1mLの精油程度しか溶け込めないことになっています(この際、第1級アルコールのことは除外させていただきます)。

ハーブティーはハイドロゾルとは異なり、その中にハーブの水溶性素材がたくさん溶け込んでいます。精油はご存知のように脂溶性物質です。そのハーブティーの中にも入ってくる可能性は十分にありますが、これも上述の疎水性尺度で規定されてしまいますので、0.1%を超えることはほとんどないと思ってよいかと思います(第1級アルコール類を除きます)。

ご存知のように精油成分は100%が脂溶性成分です。 ハーブティー成分は99.9%水溶性で、ほんのわずかな精油成分しか含まれません。その差は大きいと思いませんか?ハーブティーの効果/効能をコピペして精油の効果/効能とすることに同意できますか。私たち動物の体内に入った際に身体のシステム(代謝酵素)が対応する方法も異なってきます。

アロマ関係者がこのことをしっかりと認識せずに、精油の効果/効能を議論すること自体に誤りがあると思いませんか。

アロマセラピーの情報の根底が問われる重大問題だと思っています。

2015年2月14日 (土)

公的保険はアロマセラピーを本当にカバーしますか?

かねてから通信講座を受けられていたオーストラリアの獣医師を、当協会の会員としてお迎えすることができました。

彼女は、著書も多く、多くの獣医師を抱えた統合医療の動物病院を経営しておられる獣医師で、オーストラリアの獣医ハーブメディスン協会の会長さんでもあり、情報交換は大変興味深いものでした。1つ大きな収穫は、オーストラリアにおける公的保険でアロマセラピーが適用されるか否かという問題で、オーストラリアでは、セラピストさんたちがその筋に正式登録をして、認定されると、患者さんに施術をした時に、証明証を発行できるのだそうです。その証明証があると、患者さんが例えば個人的に代替医療保険などをかけている場合に、保険会社から支払った代金が返還されるというシステムなのだそうです。決して、国の保険制度からアロマセラピーの治療に対する治療費は出ない!ということが判明しました。

当協会の受講生の方々で、他のアロマ教育機関で勉強をなさってこられた方が大勢いらっしゃいます。その多くが、西欧諸国では、アロマセラピーに公的保険がきくという情報をお持ちなので、本当に驚かされています。

そういう情報を習った方々は、どうぞ教えてくださった指導員に、その根拠をお聞きしてみていただきたいと思います。

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