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2015年4月

2015年4月10日 (金)

マルセイユ大学からの問い合わせ

フランスのマルセイユ大学のある研究者から、過日、ペットが精油を吸入した時の毒性に関する学術的データがないので、私共の日本アニマルアロマセラピー協会が何か情報を持っているかという問い合わせがございました。

 

塗布したり、飲用させたりすることではなく、精油を部屋に拡散させただけで、猫が肝障害になってしまった例はたくさんございますし、具合が悪くなったということで相談が寄せられることも多々ありますが、ペットが死亡してしまうと、飼い主さんたちは自責の念にかられてか、こちらからコンタクトをとらせていただいても、応答して下さる方は皆無です。思い出したくもないのではないかと推察されます。

 

以下は塗布した事例ですが、米国のある猫の飼い主さんは、動物病院の待合室で順番を待っていた時、子猫がノミ避け剤を塗ったら様子がおかしくなってしまったという急患が入り、その場で亡くなってしまったという報告下さいました。待合室でそれを目撃したその飼い主さんが、たまたま、猫に対するアロマのリスクをご存知で、私たちの猫の本のコピーを持っていらして、診察の順番が来た時に、主治医にそのお話をしましたところ、病院側がその情報のコピーをとり、待合室にいる猫の飼い主さんたちに配布をして下さったと伺いました。私は、ぜひとも、その獣医師と連絡をとりたいと思いました。苦労をしてその現場にいた猫の飼い主さんにコンタクトをとり、その動物病院を教えて欲しいとお願いをしました。彼女は、翌日、動物病院へ戻り、私共がコンタクトをとることを希望している旨を伝えて下さいました。

 

彼女が言うには、前日のその場には、ある精油メーカーの製品を使っている猫の飼い主さんもいて、獣医師に、猫がアロマ事故にあうのは、精油の品質が関係すると説明をしたとか。その獣医師が、その方の意見を鵜呑みにして、前日の子猫のアロマ事故は精油の品質が原因だということで、私共にコンタクトを取るつもりはないと言われたとか。

 

話は、さらに逸れてしまいますが、以前、ネットで友人の子猫がアロマ事故にあってしまった方が自身のグログでそのことを報告なさっておられたので、なんとかコンタクトをとり、そのご友人の情報を教えていただきました。と、言いますのは、ある大手マスメディアが猫のアロマ事故の取材をしている中、実際に事故を経験した飼い主さんの事例を含めて、ネコのアロマのリスクに関する記事を書きたいとのお話があり、私たちも必死で、事故にあわれた飼い主さん情報を得て、その記者さんにお渡ししました。その記者さんは、当方へも取材にお越しいただいたり、あるアロマ関連書籍の出版社で行われた私の講演も聴きにきて下さった方です。

 

しかしながら、マスメディアは巨大なアロマ関連企業や機関から広告料を得ています。記者さんは、いくら記事を書きたくても、きっと上から圧力がかかったのでしょう。自分たちで事故を経験した飼い主さんをみつけられなかったので、根拠を示せないため、記事を書けないとのメールが届きました。私たちが苦労をして、飼い主さん情報をさしあげたにもかかわらず、無視されてしまいました。残念でしかたありませんが、彼女の立場を理解できないことはありません。

 

安易な動物実験を実施することはできない時代です。事例を集めて証拠とするしか方策はないのです。

 

マルセイユ大学の研究者には、上記のような様々な理由から、事故に関する学術的な根拠は示しにくいことをご説明し、毒性の用量なども実験ができない旨を述べ、猫の遺伝子情報の詳細を差し上げました。この遺伝子情報は、イエネコのみならず、検査をした野生のネコ種すべてで、精油成分を代謝/解毒する際の最重要な肝臓の酵素が体内でつくられないという学術情報です。遺伝子のどこに異常があるかという明確な情報です。いかなる理由をつけようとも、ネコ種が遺伝的なハンディキャップを背負って、人と辛うじて共生していることを物語るものです。

 

その研究者は私共の情報に大変驚かれて、実は動物用のネックレスタイプのノミ/ダニなどの虫除けアロマ製品を開発したい企業のコンサルタントをしているとのお話を吐露して下さいました。そして、私共の情報を得て、そういう製品の開発は控えたいと考えるようになったとのメールをいただきました。

 

将来起こるかも知れない動物のアロマ事故を、ほんの少しでも防ぐことができたかも知れません。

2015年4月 9日 (木)

深い傷に精油は厳禁!

擦り傷や切り傷にブレンドオイルをつけたりすることがよくあるかと思います。正しい真正ラベンダー精油や正しいG.カモミール精油などは、そういう場合に威力を発揮してくれるので、他の抗炎症作用のある精油と組み合わせて、動物にも利用することが多々あります。しかしながら、特にG.カモミール精油に関しましては、本物を入手することは一般のアロマセラピストには不可能に近いことを認識しておかれて下さい。

 

もし、傷が深い場合に、創傷の治癒を早めるような作用のある精油を塗ってしまうと、表面だけが治ったように見えて、中で嫌気性の細菌などが繁殖してしまうことがありますので、刺し傷や動物による咬み傷など、深い創傷には、決して精油を使うべきではありません。犬/猫の口内にいるパスツレラ菌などは、咬み傷を正しく処置しないと、命にかかわることが多々あります。特にペニシリン系の薬剤にアレルギーがある方々は、迅速な処置をしないと命にかかわることになるやも知れません。

 

アロマセラピーの利点ばかりが強調される傾向にありますので、精油の有害作用のことも、しっかりと情報を得られて下さい。親切心で塗布してさしあげたブレンドで、その方が大事になってしまったら!とんでもないことです。

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